老眼鏡デビュー
ついにこの時がきてしまった。
越後平野の田んぼのど真ん中で育ったせいか
子どものころから遠視気味(視力2.0以上)だった。
「そういう人は老眼になるのが早いよ~」などと
脅かされてきたが、45歳ぐらいが平均のようだから
まあ人並みなんだろう。
近くがまったく見えない、というわけではない。
新聞だってちょっと離せばちゃんと見えるし
日常生活を送る上では、なんら不都合はない。
ただ、校正という仕事をしているので
大事な「商売道具」でもある眼は
きちんと見えるにこしたことはない。
30cm離すとか、ときどき遠くを見るとか、
少しは気を遣ってきたつもりだけど、
ルビの濁点とか、奧(「奥」の旧字体)とかを
見落としていたときはガックリきた。
それまでそんなことはなかったのに……。
初めて老眼鏡をかけると、「世の中が明るくなった!」
などという劇的な変化はなかったが
たしかにルーペの使用回数は減ったと思う。
眼鏡代も稼がなくっちゃいけないし、
仕事を干されないようにがんばろうっと。